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星 勝也; 吉田 忠義; 辻村 憲雄; 岡田 和彦
no journal, ,
核燃料サイクル工学研究所計測機器校正施設の線照射装置及び遠隔操作式校正台車は、設置から30年以上が経過し、部品生産が中止されるなど、装置が故障しても復旧できない恐れがあったため、平成27年10月から平成29年3月にかけて全面的に更新した。台車の設計にあたっては、機器配置や構造材の工夫により、散乱線の低減を目指した。台車走行と天板移動の駆動系は、1mm以内の位置決め精度を確保しつつ、旧装置よりコンパクトである。走行用レールは、非常に注意深く設置されており、ビーム軸中心に対する測定器の位置ずれは、上下左右1mm以内に抑制される。照射装置の設計にあたっては、ISO 4037及びJIS Z 4511に準拠するだけでなく、故障のリスクを下げるため、駆動部分を可能な限り少なくすることを目標とした。様々な検討の結果、装置は据え置き式、照射方法は線源突き上げ式(線源のみを開口部まで移動させて照射する)を採用した。駆動系への負担は非常に小さく、モータ類の性能向上もあって、故障リスクは著しく低下したと考えられる。
星 勝也; 吉田 忠義; 辻村 憲雄; 岡田 和彦
no journal, ,
核燃料サイクル工学研究所の計測機器校正施設では、約30年振りに線照射装置及び遠隔操作式校正台車を更新した。本研究では、装置更新前後の線標準場の特性を比較・検討した。標準場の基準線量率を決定するため、電離箱(PTW Freiburg GmbH、TM32002、体積1000cm)及び電位計(東洋メディック、RAMTEC100Plus)を使用して、線源から1m9mにおける線量率を測定した。照射野の均一性を評価するため、有感体積が小さな電離箱(Aloka、DRM201、体積40cm)を用いて、線源から1m及び2mにおいて、ビーム軸に垂直な上下左右方向の線量率分布を取得した。更新前の基準線量率に対して、更新後は3%5%高くなった。これは、線源ホルダ側面の厚さが最大で3mm薄くなったことに起因すると考えられる。新旧の照射装置は、開き角が22度の円錐形コリメータを有する。新装置の方が、均一な線量率を得られる照射野面積が大きかった。旧装置の円錐の頂点の位置は、線源の実効中心に一致しており、Cs充填領域から放出される線の一部は、コリメータの入り口によって遮蔽されていた。一方、新装置では、円錐の頂点の位置を後方へ移動させたことにより、線がコリメータの入り口で遮蔽されず、照射野の改善に寄与した。